2021/12/01 18:09
服は無資格、無免許で誰でも作れて誰でも売る事が出来ます。
しかも大体どんな服もお金を積めば作る事が可能です。
人間に必要な三つの重要な要素「衣、食、住」というものがあります。
私の解釈ではまず人間は裸では居られないし外出も出来ないので服を着ます、そして食べ物を得て、家に住み家で過ごすのが基本の様式になっている事からこの「衣、食、住」という順番で並んでいるのだと思っています。
そのトップバッターである「衣」なのですがこの要素だけには資格や免許が存在しないのです。
その他二つの要素から見ていきましょう、まずは「食」
人にご飯を提供する料理人は免許を持っています。当然です、人が口にし体内に入れるものを無責任に提供出来るとマズイからです。
犯罪なので無理ですが調理師免許が無い人間がご飯屋さんの真似事をやっていたとしてそこにお金を払って食べに行きたいと思うでしょうか?
その次に「住」家です
当然人命や生活に関わる物なので多くの資格者や技術者が関わって来ます。
例えば無資格、無免許の素人達が集まり工務店ぶって「家建てれるよ〜」と言った所であなたは大事なお金を積んでその後の生活の基盤となる家をその素人達に建てて欲しいと思うでしょうか?
その他だと他人に刃物を向けれる理容師や美容師も当然免許を持っています。
それは知識や技術の無い者がそれを行うことは人にとって危険が及ぶからです。
人の生命活動に密接に関係する「衣、食、住」をそんなに蔑ろには出来ないのです。
では何故人体に一番近く常に肌に触れ、行動に影響を与え、体温調節や外的要因から人を守るという役割を持つ服を無資格、無免許なまま無責任な事に無自覚な人間が勝手に作り人様から金銭を頂くという責任のある行為を簡単に行えるのでしょうか?
昔から不思議でしょうがなかったです。
それが趣味の範囲内であれば全然意味合いが違いむしろ素晴らしい行いになったりします。
例えば周りの仲間でT−シャツ作って着るとか、お母さんが我が子に服を縫ってあげるとか、美味しいおかずをいっぱい作ったからお裾分けするとか、好きな人にチョコレート作るとか、DIYで小屋建てるとか、愛犬に犬小屋作るとか、子供の髪切ってあげるとか、おじいちゃんおばあちゃんの髪染めてあげるとか、相手を思いやっての行動は素敵な行為だと思います。
ただそこに金銭が絡むと全く意味合いが変わってきます。
人様から大事な金銭を頂き提供する物は自覚の無い者が無責任に作り販売してはいけないと思うのです。
皆様も自分の生業で考えると分かりやすいかもしれません、自分の業界にいきなり知識や技術、経験や愛も無い訳の分からない奴がポッと来て「私はプロです。」と名乗り他人に金を積んで作っただけの形だけそれっぽいゴミを本物の様に偽りカッコつけた見せ方やプロモーション、知名度だけでよく分かっていない人達から金を巻き上げる行為を自分の生業とする大事な業界で日々行われている様子を見たらどう思うでしょうか?気持ちの良いものでは無いはずです。
しかし悲しいかなアパレル業界では日常茶飯事に昔から行われている事です。
他の業界ならばある程度お客さんが取捨選択の目を利かせやはり本職の方がメインで活躍されているのだと思います。
免許や資格も生半可には始めれない良い枷になっているのだと思います。
ただ無法地帯のアパレルはそうでは無くミシンに触れたこともないような、自分ではグラフィックも起こせない人間が作った服がたちまち大ヒットしたりする様をまざまざと見せつけられます。
それは私にとって自分の愛する服、愛する業界が目の前でレイプされているのを見せられている様な苦痛なのです。
買う側の責任もあるでしょうがまずは作り提供する側が全力で最善最良を提供しようとしなければならないと思います。
モノづくりに嘘は要らないのです。
嘘の混じった物を人様に提供してはいけないのです。
それは業界自体を腐らせる行為であり私利私欲に目が眩んだ者が行う服への最大限の侮辱であると思います。
なぜ他の事はプロに任せているのに服はプロの物でなくてもいいのか?
毎回同じメニューの味が違う料理屋でいいでしょうか?
昨日今日握り方覚えた寿司屋に行きたいでしょうか?
建築工法や耐震、防火など何も分かっていない者が建てた家に住みたいでしょうか?
他の業界では絶対に通用しない事がまかり通っている現状を憂いでなりません。
アパレルの価値判断基準も見えづらく難しい物なのかもしれません
どれが本物でどれが商売でどれがゴミかも分かり難い所が確かにあります。
服屋さんでも本物の服の間に偽物が紛れ込みしかも価格帯は同じみたいな事も多々あります。
でかいブランドでも服に愛の無い所や小さいけど愛に溢れた本物作るブランドとか様々です。
服を我の金儲けの道具としてしか認識していない愛の無い人間達が無作為に服を利用し人様を騙し続けてきた結果が今のこの荒れ果てたアパレル業界を作ってしまったのだと思います。誠に悲しいです。
長々と書き連ねて来ましたが簡潔に申し上げますと
「服はその他業界と同じで一朝一夕で作れるものでは無いのです」
「作れるからといって覚悟や責任を持たない者が適当に作った物を無作為に提供し人様から金銭を頂いてはいけないのです」
本来ならその他業界と同じで愛と情熱と知識と技術とアイデアと敬意を持って服作りをし商売にしないといけないはずです。
[服を作り人に販売出来る]ってのを国家資格にしてくれへんかなと常々思っております。
洋服製造販売免許的な結構難しい資格があればぁと
本当に服が好きで服作って売りたいって人ならちゃんと勉強して取得するはずで
そうなれば金儲けだけの偽物が減りより純粋なクリエーションで溢れるのになぁと願うばかりです。
Y7/MOXX
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outro
服って実は一番リサイクル出来ないらしいんですよ、何かで見ましたが今日本で作ってたり入ってくる服の総数を合わせると一年間で一人36着ほど全国民が消費しないと余りは在庫やゴミにされるみたいで
元は綿花や化繊や毛な訳でそれが糸になり生地になり裁断され縫製され服になる
生地の段階ならまだどうにでも出来るのに無作為なクリエーションが入ることにより最終燃やされるゴミになる
SDGsとか言うならその無作為で無責任なクリエーションを無くせば相当資源は守られるのになぁとも考えてしまう今日この頃でございます。